「股関節痛の症状と原因」
股関節痛では長時間の歩行、ダッシュやランニング時に痛みが強くなったり、足が痛くて開けない等の症状が出ます。
レントゲンやMRIを撮って、軟骨がすり減っていたり、筋肉の炎症があったりなどの画像所見もあると思います。
しかし、痛みの原因は股関節だけで無く、別の場所にもある事がほとんどです。
実際にレントゲンなどで股関節に異常がないのに痛みが出てしまう人も多いです。
股関節のみに原因がある場合、電気治療やマッサージをすれば良くなるでしょう。
ですが痛みの原因が別にあるので、なかなか痛みが改善されないのです。
大体の方の股関節痛の原因となりやすい部位は大きく分けると2つあります。
まず一つ目が股関節に隣接している仙腸関節です。
仙腸関節は仙骨と腸骨で形成された骨盤の関節で、荷重をかけた時に身体にかかる負担を受け流します。
その為、仙腸関節が動かなくなると、代償して股関節の可動性が大きくなり、負担が掛かり痛みが出てしまいます。
もう一つの原因となるのは、背骨の動きです。
背骨の胸椎、腰椎の動きが悪くなると股関節に負担がかかってしまいます。
なぜなら、胸椎と腰椎の繋ぎ目に股関節に関連する神経が分布しているからであり、この背骨の動きが悪くなると股関節も連動して動きが悪くなってしまいます。
仙腸関節と背骨の動きが悪いと、体は自然と悪い部分を庇うので、バランスが崩れます。バランスの崩れは筋肉や関節が硬くなる要因となり、不良姿勢から股関節だけで無く、腰や膝にも負担をかけてしまいます。
「股関節痛に合わせて腰痛が起こりやすい原因とは?」
股関節痛と腰痛が同時に出てしまう方は多いと思います。
腰痛が出てから股関節痛が出る方は多く、原因としては臀筋(お尻の筋肉)に力が入りにくい、上手く使えていないという方が多いです。
臀筋には、大臀筋、中臀筋、小臀筋などがあり立っている時や歩行の際に身体を支える役割をしています。
大臀筋は股関節を伸展させる作用があり、大臀筋に力が入りにくいと歩行の際に地面を蹴り出せず、腰を反って反対脚を前に出したり、体を真っ直ぐ支えれずに体幹が前傾姿勢になってしまうなどの異常動作が出てしまいます。
反り腰になってしまう方は腸腰筋の緊張が高く、これにより骨盤前傾、腰椎前弯が増強する事によってストレスがかかり痛みが出てしまいます。
中臀筋の出力が弱まっている場合は、骨盤を安定させる事ができず、片脚立ちや歩行の際に骨盤が傾いてしまいます。
これらの現象は上記の項目に書いてるある様な背骨や骨盤のバランス不良の原因の1つとなり、通常よりも腰部や股関節に負担がかかる為、痛みが出てしまいます。
「股関節痛治療法」
原因でも述べた仙腸関節と背骨の調整を行うことは重要です。
仙腸関節と背骨の動きでは、仙腸関節の方が比較的早期に改善する事は多いです。
背骨は動きが硬くなってしまうと、仙腸関節に比べて短期間で改善されることは難しいかもしれません。
整体で、痛みを緩和させる事は早期に可能ですが、背骨の動きの硬さを無くしていかないとまた痛みが出てきてしまう事もあります。
その為、専門家としては、痛みだけを取るのではなく、痛みの出にくい身体作りをしていく事が大切だと思っています。
背骨の柔軟性が失われていると、特にスポーツをやられている方は筋肉のストレスを直接受けるので再発のリスクも高くなってしまいます。
又、股関節は肩関節と連動しているので、重心バランスを整えていく上で肩関節を中心に上半身の動きを改善していくとバランスが良くなります。
今まで痛い箇所にマッサージや電気治療をしても、改善のきざしが見えなかったのは体全体のバランスを整えていなかったからなのです。
痛みが一向に改善されない方は身体のバランスを根本的に変化させることが必要かもしれません。